2009年03月18日
ミジンコだったあの頃…(小説ver)
昨日の晩、旧友I君から電話があった。
I君からの連絡は、ほぼ1年ぶり。
久しぶりの会話の中で、キミと絡んだ過去の記憶が鮮明に蘇ってきた…。
そう、キミと出会ったのは、幼稚園の時。
ボクはイタズラが度を過ぎ、保母さんに怒られて一人廊下に立たされた。
幼稚園で廊下に立たされる園児は、あまり聞いたことがないだろう…。
シトシトと雨が降る中、教室の楽しげな声を背に、ボクは一人外廊下で寂しげにうなだれていた。
ふと、何気なく顔を上げたとき、キミもボクと同じように一人廊下に立たされていたのに気づいたんだ。
そう、ボクは”つきぐみ”、キミは”はなぐみ”。
それからだね、なぜかキミとボクが仲良くなったのは。
家も近所だったし、キミもボクも末っ子で兄姉からこき使われていたのも、接点の一つだったのだろう。
幼稚園の帰り道、中央公園に生えていた”つつじ”の甘い蜜を吸って、お互い喜んでいたね。
でも後日、犬がつつじに向かって、お○っこをひっかけていたのを見た時、無性に悲しくなったよ…。
ボクたちは、あの時”アンモニア”を栄養の糧にしたために、おかしな人間になったんだね。

そういえば小学生になったら、よくボクの家にきてドンジャラで遊んでいたね。
でもキャラクターが”ドラえもん”じゃなくて、”パーマン”だったのが、とってもシュールだった。
そしてキミは、パーマン1~4号を横並びにして「パータッチ」と叫んで、意味もなく喜んでたね。
あと小学校2年の時、キミを含め何人かで集団でスカートめくりに励んでたなあ。
そして、ボクたち学級会にかけられた。幸いにして、母親にはバレなかった。
今となっては、あれもいい思い出だ…。
小学校4年生になって、キミは少年野球チームに入り、そこからスポーツマンへの道を歩み始めた。
キミが野球で汗を流してた夏休み、ボクは田んぼの用水路を探検してニホンザリガニを探していたよ。
あと、山に入ってマムシを捕まえては、近所の薬局に売って小遣い稼ぎをしてたんだ。
同じ中学校に進学し、キミは野球部、そしてボクはなぜか卓球部に所属。
部活道が違ったけど、たまには二人で一緒に帰っていたね。
そして今でも忘れられない出来事が起きたんだ。
田んぼのあぜ道に、落ちていたエ○本を見つけた時、興奮していた思春期のボクに対してキミは、
そして、キミの兄貴の部屋に招きいれ、棚にずらっと並んだエ○本の山を見せてくれた。
あれはボクにとって、初めて”禁断の世界”に足を踏み入れた瞬間だったんだ。
キミは一足早く、大人の世界にいたかもしれない。でも、あの時のボクたちは、
そして、別々の高校に進み、キミは相変わらず野球一筋の生活を歩んでいた。
ボクは進学校に行ったけど、勉強もせずに友人の家で麻雀ばかり打っていた。
そして、ボクは熊本の大学、キミは大阪の専門学校に進み、ますます疎遠になった。
そんなボクたちが再会を果たしたのは、4年後の19才の大晦日。
キミは大阪という都会に行って、すっかり人が変わってしまった。
「ロン!、大三元!」とボクを指差し、「やーい、さっさと点棒払え」と厳しい催促をする。
「パータッチ」と喜んでいた小学校の時のキミはもういない…。あの晩、ボクは6回もハコってしまったんだ…。
そして、毎年大晦日の夜は恒例のように紅白歌合戦も見ず、帰省した友人達で雀卓を囲んでいたね。
でも、キミが一足先に大阪で就職してしばらくして、大晦日になってもキミは中津に帰ってこなかった。
どうも、オンナにはまってしまったと、風の噂で聞いた。
しかも、風の噂で聞くたびに、それが常に違うオンナである事が発覚した。
確かにキミは、かっこよかった。
身長も180cm以上あるし、見た目痩せてるけど、スポーツマンだから引き締まった筋肉。
キミと何度かボーリングをしたが、いつもスコア200を超えるハイアベレージだった。
きっと”夜の球転がし”も、ストライク連発だったんだろう…。
転機になったのは確か27才の頃、キミは勤めていた会社が倒産して、中津に帰ってきた。
しばらくはバイト生活だったが、再就職して正社員になった時は、ホント嬉しそうだった。
でも、バイト生活中の間でも、相変わらずキミはモテていた。
一度何人かの友人たちと飲んでた時、「今まで何人のオンナを食べたか?」という話題になった。
当時、ボクは片手で十分足りた。たぶん、今でも足りるだろう…。
でも、キミは両手両足の指でも足りないと、堂々とのたまっていた。
その時、キミはボクと同じく、しばらくは独身の道を歩むだろうと確信したんだ。
でも進む道は同じだとしても、オンナがいるかいないかという、道中は全く異なるものだ。
そして、昨日の晩のキミからの電話。
忙しかったから簡単にしか話を聞いてないが、一晩の過ちで”クリティカルヒット”したらしい。
相手は付き合っていた彼女。もちろん、夜の戦は完全防備で常に勝ち戦。
でもある晩、キミは酔ってて一度だけ完全に無防備の状態で戦いに挑んだらしい。
そうか、ついにキミもプレイボーイな人生に終焉を迎える時がきたんだね。
でも、ボクは思ったんだ。
そしてボクは、未だサルのまま。
でも、”まんねん”と中学時のあだ名でボクを呼ぶ中、今でもキミだけ小学校時のあだ名で呼んでくれる。
そう、ボクたちの友情は、これからもミジンコの時と何も変わりはしない。
I君からの連絡は、ほぼ1年ぶり。
久しぶりの会話の中で、キミと絡んだ過去の記憶が鮮明に蘇ってきた…。
そう、キミと出会ったのは、幼稚園の時。
ボクはイタズラが度を過ぎ、保母さんに怒られて一人廊下に立たされた。
幼稚園で廊下に立たされる園児は、あまり聞いたことがないだろう…。
シトシトと雨が降る中、教室の楽しげな声を背に、ボクは一人外廊下で寂しげにうなだれていた。
ふと、何気なく顔を上げたとき、キミもボクと同じように一人廊下に立たされていたのに気づいたんだ。
そう、ボクは”つきぐみ”、キミは”はなぐみ”。
それがキミとの最初の出会いだった
それからだね、なぜかキミとボクが仲良くなったのは。
家も近所だったし、キミもボクも末っ子で兄姉からこき使われていたのも、接点の一つだったのだろう。
幼稚園の帰り道、中央公園に生えていた”つつじ”の甘い蜜を吸って、お互い喜んでいたね。
でも後日、犬がつつじに向かって、お○っこをひっかけていたのを見た時、無性に悲しくなったよ…。
ボクたちは、あの時”アンモニア”を栄養の糧にしたために、おかしな人間になったんだね。
そう、あの頃のボクたちは、まだミジンコ”だったんだ…

そういえば小学生になったら、よくボクの家にきてドンジャラで遊んでいたね。
でもキャラクターが”ドラえもん”じゃなくて、”パーマン”だったのが、とってもシュールだった。
そしてキミは、パーマン1~4号を横並びにして「パータッチ」と叫んで、意味もなく喜んでたね。
あと小学校2年の時、キミを含め何人かで集団でスカートめくりに励んでたなあ。
そして、ボクたち学級会にかけられた。幸いにして、母親にはバレなかった。
今となっては、あれもいい思い出だ…。
小学校4年生になって、キミは少年野球チームに入り、そこからスポーツマンへの道を歩み始めた。
キミが野球で汗を流してた夏休み、ボクは田んぼの用水路を探検してニホンザリガニを探していたよ。
あと、山に入ってマムシを捕まえては、近所の薬局に売って小遣い稼ぎをしてたんだ。
ボクたちは、”ミジンコ”から少しずつ成長し始めたんだ
同じ中学校に進学し、キミは野球部、そしてボクはなぜか卓球部に所属。
部活道が違ったけど、たまには二人で一緒に帰っていたね。
そして今でも忘れられない出来事が起きたんだ。
田んぼのあぜ道に、落ちていたエ○本を見つけた時、興奮していた思春期のボクに対してキミは、
「そんなの、オレの家に来ればいくらでもあるぜ」
そして、キミの兄貴の部屋に招きいれ、棚にずらっと並んだエ○本の山を見せてくれた。
あれはボクにとって、初めて”禁断の世界”に足を踏み入れた瞬間だったんだ。
キミは一足早く、大人の世界にいたかもしれない。でも、あの時のボクたちは、
サルに進化した大事な時期だった
そして、別々の高校に進み、キミは相変わらず野球一筋の生活を歩んでいた。
ボクは進学校に行ったけど、勉強もせずに友人の家で麻雀ばかり打っていた。
そして、ボクは熊本の大学、キミは大阪の専門学校に進み、ますます疎遠になった。
そんなボクたちが再会を果たしたのは、4年後の19才の大晦日。
中学校時の友人んチでの、雀卓の前だった
キミは大阪という都会に行って、すっかり人が変わってしまった。
「ロン!、大三元!」とボクを指差し、「やーい、さっさと点棒払え」と厳しい催促をする。
「パータッチ」と喜んでいた小学校の時のキミはもういない…。あの晩、ボクは6回もハコってしまったんだ…。
そして、毎年大晦日の夜は恒例のように紅白歌合戦も見ず、帰省した友人達で雀卓を囲んでいたね。
でも、キミが一足先に大阪で就職してしばらくして、大晦日になってもキミは中津に帰ってこなかった。
どうも、オンナにはまってしまったと、風の噂で聞いた。
しかも、風の噂で聞くたびに、それが常に違うオンナである事が発覚した。
確かにキミは、かっこよかった。
身長も180cm以上あるし、見た目痩せてるけど、スポーツマンだから引き締まった筋肉。
キミと何度かボーリングをしたが、いつもスコア200を超えるハイアベレージだった。
きっと”夜の球転がし”も、ストライク連発だったんだろう…。
転機になったのは確か27才の頃、キミは勤めていた会社が倒産して、中津に帰ってきた。
しばらくはバイト生活だったが、再就職して正社員になった時は、ホント嬉しそうだった。
でも、バイト生活中の間でも、相変わらずキミはモテていた。
一度何人かの友人たちと飲んでた時、「今まで何人のオンナを食べたか?」という話題になった。
当時、ボクは片手で十分足りた。たぶん、今でも足りるだろう…。
でも、キミは両手両足の指でも足りないと、堂々とのたまっていた。
その時、キミはボクと同じく、しばらくは独身の道を歩むだろうと確信したんだ。
でも進む道は同じだとしても、オンナがいるかいないかという、道中は全く異なるものだ。
そして、昨日の晩のキミからの電話。
「オレ、今度結婚することになった」
忙しかったから簡単にしか話を聞いてないが、一晩の過ちで”クリティカルヒット”したらしい。
相手は付き合っていた彼女。もちろん、夜の戦は完全防備で常に勝ち戦。
でもある晩、キミは酔ってて一度だけ完全に無防備の状態で戦いに挑んだらしい。
そして、5ヶ月後に発覚した
そして、彼女とは離れられなくなった
そうか、ついにキミもプレイボーイな人生に終焉を迎える時がきたんだね。
でも、ボクは思ったんだ。
キミはついに、サルから人間に進化することができたんだ
そしてボクは、未だサルのまま。
でも、”まんねん”と中学時のあだ名でボクを呼ぶ中、今でもキミだけ小学校時のあだ名で呼んでくれる。
そう、ボクたちの友情は、これからもミジンコの時と何も変わりはしない。
Posted by まんねん at
00:36
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