2010年10月09日

なんとなく死人~小説ver~

分かっている…


分かっているのに


あの人は来なかった


なんとなく死人~小説ver~




週末の土曜日

一人待つ、深夜の自宅のマンション

テーブルには二人で選んで買った

ティーポットと二つのカップが並んでいる


あの人がこの部屋に来ないのは分かっている

もう、二度と会うことができないのだから


それでも、週末の土曜日

夜9時前になると、必ず

部屋の灯りが微かに映る窓辺に立って

あの人の姿を探しているのは何故


少し照れたように、ケーキの箱を渡してくれる

あの人の優しい笑顔が忘れられないのだろう

それが、一時の逢瀬のためと分かっていても

あの人には帰る場所があるのも分かっていても


FMから流れる、ジョージ・ウィンストン

物悲しいメロディーが部屋中に響く

moon

皮肉にも、厚い雲で月光は隠されていた


窓から見える景色は

うっすらと涙の跡が残った自分の顔と

街灯の下にうずくまる野良猫たちだけ

いつになったら、あの人の幻影を忘れられるのだろう…







Posted by まんねん at 21:44│Comments(2)
この記事へのコメント
素敵な詞です…涙が止まらない  
さぁ!んじゃ私も都町へGO!
Posted by もやし at 2010年10月09日 23:54
適当に書いた、三文小説ですがね
Posted by まんねんまんねん at 2010年10月10日 19:43
 
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