第3話;アトムボーイ合コンする

まんねん

2008年04月21日 23:12



やあ、ぼくアトム君。
いつもは庄八のボトルの先っぽにいるんだけど、いい加減みんな覚えてくれたかな。

この間、”記○Y”氏に間違われて北○鮮に拉致されたんだけど、その代わり、


喜び組と合コンすることができるようになったんだ



嬉しい~、今からワクワクするよ。
よし、まだ合コン開始まで時間があるから、アタマのトンガリをもっとかっこよくキメないと。ビシッと。

フフフフフーン♪♪♪。

しまった、鼻歌歌いながらトンガリに時間をかけていたら予定の時刻に遅れちゃったよ。いっそげー。

ハアハアハア…、あー疲れた。
ちょっと待てよ、呼吸を整えて入らないと、興奮した怪しい人に思われるからね。

その前に、アタマのトンガリチェッーク。よしOK。
そして、大事な箇所のトンガリチェッーク。よし、こっちもいつでもスタンバイOKだ。

さあいよいよ、酒池肉林の世界に突入するぞ。

バーン。勢いよくドアを開けたら、すでに会場は大盛り上がり。しまった~、乗り遅れた~。

でも、気にしないさ。さあて、ボクのトンガリを捧げるかわいいコをまずは探そう。

と思った瞬間、突然右手の方から「ワハハハハー」と大きな女性の笑い声が聞こえてきたんだ。

誰だ?、あの聞き覚えのある元気な笑い声は。はっ。

え……………、まっ、まさか…。
違うよなあ、いくらなんでも北○鮮にいる訳ないよなあ…。

でも、ちょっと待てよ。よく見たら名札に”永遠の17歳”って書いてるよ。

見間違い、見間違い。気のせい、気のせい。


でも、いやちょっと待てよ………。よく確認したら、見たことのある女性が多いような………。

あれ、向こうでワインボトルをラッパ飲みしている人も見覚えがあるよ。
しかも、飲み方が豪快だ。男前すぎるよ。

いや、あっちで”血の池地獄”を飲んでいる人も見覚えあるけど、違うよなあ。
「海地獄もいただける?」あら、飲みっぷりが素敵。

あっちじゃ、一人でマイペースに焼酎ついでいる人もそうだよなあ。
でも、周りの男性と「イエーイ」とノリノリで飲んでるなあ。楽しそうだ。

さらに奥の方で、軍服を着た男二人に挟まれて楽しそうに飲んでる女性もいるよ。
よく見たら両端に50才くらいの男二人、”邪道1号”と”邪道2号”の名札とつけてるね。
しかも、その男二人にイジられてるみたいだけど、彼女喜んでいるみたいだから、ほっておこう。

あれ?、奥の方では気弱そうなオトコに説教をかましている人がいるぞ?。
あ、ワインボトルをラッパ飲みしていた人も、いつの間にか一緒に説教してる。
でも、そのオトコはすごく嬉しそうだ。まあいいや。

この時点でボク気がついたんだ。確かにみんなきれいなんだけど、


「喜び組…だよねえ…」



ボクは”金万年”に騙されてここに連れてこられたんだろうか?。
疑問に思って、近くにいたメガネをかけた”亜熱帯性の若いオトコ”に尋ねたら、

「そっ、そんな事はないですよ。みっ、みんな独身だし。特に”永遠の17才”の方はお勧めですよ」

と、動揺してるのかちょっと声を震わせながら答えてくれた後、すっといなくなってしまいました。

ますます怪しい…。ホントにボク好みの素敵な女性がいるんだろうか、うーん。

と考えていたら、突然目の前が真っ暗になり、同時に「ぱふっ」と柔らかい衝撃が…。

「あら、ごめんなさい」

と、ミニチュアダックスフンドを連れた、ボクよりおっきい女性が謝って通り過ぎていきました。
いえいえ、ボクがボーっとしていたのが悪いんで。

一瞬しか見えなかったけど美人だったし、それよりいいおっ○いだったなあ。
まだ顔に感触が残ってるよ。くんくん。
しまった、余韻に浸ってたら見失ってしまった。美乳な彼女、どこへ行ったんだろう…。

探そうときょろきょろしていると、突然奥の方ではパチパチパチと拍手がおきて、ちょっとびっくり。
ちょうどピアノを演奏し終えた、かわいい笑顔のオンナのコがみんなにアタマを下げて挨拶してるよ。
うーん、礼儀正しいいいコだ。しかも、

「わー、ついにボクより若そうなオンナのコを見つけたよ」

と嬉しくなって声をかけるため近づこうとしたら、彼女突然ボトルを持って辺り構わず全員のグラスにお酒をつぎまくってたんだ。

よく見たら、周りの軍服を着たオトコ達はみんなヘロヘロになってるよ。
しかも、ちょっとグラスが空いた瞬間を見逃さず、とことんつぎまくってるよ~。
ポテッ。あ、一人倒れた。

こわー。あの危険地帯に近づいたら、ボクも危うく嵐に巻き込まれるトコロだった。危ない、危ない。

その場を離れ一休憩してたら、女性には目もくれず、なぜか料理にカメラを向けている、メガネをかけたメタボ男性がいたんだ。
「…でね。………でね。んーーー、マンダム」
どうもしゃべりながら、料理の動画を撮ってるみたいだ。ほっとこう。


北○鮮には、いろんな人がいるんだなあ



と感慨に浸っていたら、ん?。向こうにはホントに若いコがいるじゃないか。
ちょっとぽっちゃりしてるけど、しかもメガネが似合う、”萌え系”のコが。よし、声をかえようと近づいたら、あれ?。
よく見たら、「売約済&就職活動中」って、名札に書いてあった。ナンだ、売却済みか、面白くない。

だめだー、ボクにぴったりの若いコはいないのかー。

と思ってたら、いたよ。バクバク食べてる若くてちっちゃいコが。
おー、若いし、ちっちゃいコはボク好みだ~。このコしかいない~。
と決め打ちしようとしたら、突然そのコはいきなり椅子から立ち上がり、ダッシュで逃げ出したんだ。
ナンだナンだ?、ナニが起きたんだ???。
ビックリする間もなく、向こうからシルバーのパンツ1枚のオトコが毒霧吹きながら彼女を追いかけて、あっと言う間に僕の前を通り過ぎたんだ。

ナニが起きたのか、さっぱり分からないよ…。

ポテッ。あ、また向こうで一人倒れた。


もうダメだ。ボクの喜び組はいないのか…



諦めかけたその瞬間、目の前にいたんだ、ボクの天使が。

き、きれいだ…。その潤んだ瞳、しかもボク好みのおいしそうなカラダをしている。

もうこのコしかいない…。

最後の覚悟を決めて、そのコに「サランヘヨ」と声をかけたんだ。

ん?、反応がない。ちゃんと聞こえてるのかな?。念のため、もう一度声をかけたんだ。
あれ?、無視?。ボクではダメなのかな?。しょぼーん。
残念、と思ったんだけど、ちょっと待てよ。じーーーー。
よく瞳を見たら、潤んでるんじゃなくて、トローンとしてるんだ。もしかして、記憶がない状態???。

そしたら、突然「グフフフフー」と怪しい含み笑い声が、きれいな唇から漏れてきたんだー。



ひえーーーー、怖いよーーーー




もう嫌だー、ボク大分に帰るー



307さんの美顔と「おかえりなさい」と美声で癒されたいよー。
YuKaちゃんの胸の中に飛び込んで慰められてたいよー。
チィさんの胸の中は…、大将に怒られるな。

そのまま合コン会場を飛び出し、グスグス泣きながら歩いていると、なんかおっきな建物にたどりついたんだ。

ギーーーと、ドアを開けたら地下に通じる階段があって、そのまま何気なく降りていったら、目の前におっきな物体が…。



もっ、もしやこれは、噂のテ○ドン
すごい、ボクのトンガリよりまっすぐそそり立ってるよ。

そうだ、これにしがみついて乗ったら、大分に帰れるんじゃないか?。
よし、早速目的地の設定だ。ポチポチポチっと。

え?、なんで操作ができるのかって?。だって、ボク”科学の子”だもん。
こんなの、お茶の子さいさいさ。

よし、目的地を”しょ、う、は、ち”っと。



いかんいかん、これじゃあ竹町が壊滅するじゃないか。
改めて別府湾に目的地を設定し直しだ。

よし、あとは発射ボタンを押すだけ。
と思った瞬間、奥の廊下の方で大騒ぎしている声が。や、やばい、見つかったかな?。
急げ、発射ー。ポチッとな。ゴゴゴゴゴー。



おー、飛んでるよ、飛んでるよー。
さらば、北○鮮。

こうして無事、ボクは大分に戻ってきたんだ。
でも、戻ってくる途中に気がついたんだけど、


ボク、空を飛べたんだよなあ



ちゃんちゃん。

そして、第4話に続くって…、あるのか?