大分活性化宣言的”探偵物語”~その壱~

まんねん

2008年04月27日 12:26




ふう、もう朝か…。

オレの名は”探偵M”。
クール&ハードボイルド、そしてタフ&ガイさで、都町ではちょっと知られた探偵さ。

ふう、昨晩の”庄八での合コン”は楽しかったぜ…。
久しぶりに若いコと飲むのも悪くない………。


「ん、ううん……」


気だるさがまだ残るベッドの隣には、裸の女がまだ眠っている。
昨晩は何度も求められたからな。よほどオトコに飢えていたんだろう。
”庄八”では大人しそうなコと思ってたのに、女はベッドの上で豹変するものだ…。



今夜もハードボイルドだったぜ




しかし、このコの名前だったか…。
「ヤ、ユ、ヨ」確かアタマが”ヤ行”だったはずだが…、いかんせん名前が思い出せない。


「まあいい。一夜限りの大人の関係だ」



彼女の肩にそっと布団をかけ、一人彼女を残したまま、オレは部屋を出て行った。


「ふう、今日は土曜日か。さて、どうするかな」と、ラブホテルの裏口から外に出ようとした一歩、「ハッ」。
オレは急いでホテルの壁に隠れる。

見たことのあるオトコが外に立っていた。

あ、あれは…。間違いない、ヤツだ。




”エロリスト”ケンジ





まさか、ラブホテル街で”国際指名手配犯”に出会うとは…。

どうする…、銭形のとっちゃんに連絡するか。

プルル、プルル、プルル。ダメだ出ない。
そうだ、今はインターポール本部に呼び出され、フランスに行っていたんだ。

それに、エロリストは現行犯でないと逮捕できない…。
くそう、せっかく指名手配犯を見つけたのに、手が出せないとは…。

しかしケンジ、ラブホテル街にいるとは、すでに一仕事終えたあとなのか?。いや、違うな。
髭は剃っていないが、仕事用のショルダーバッグを肩にかつぎ、これから仕事に向かう雰囲気だ。

とりあえず偵察しようと思った、その時だ。
向こうから、見覚えのあるコが…。確かあれは、活性化宣言のスタッフの”momoちゃん”。

ケンジをマークして、昨年のオフ会で潜入していた探偵から「美人で天然」だと報告を受けていたが、彼女に間違いない。
ホテル街で待ち合わせ…。




朝っぱらから、エロリスト活動か





よし、これでケンジが人に言えないような物凄いプレイをしている現場に踏み込んで、そのまま現行犯逮捕だ。

急いで応援を呼ぼうとした時、1台の車がスーッと二人の前に止まり、ケンジたちはそのまま車に乗り込もうとしている。
やばい、このままでは二人を見失ってしまう。

ダッシュでホテルの駐車場に戻り、急いで車を出し、ケンジたちの車の後を追跡する。

「どこに行くんだ…」いきなりの展開に、若干の焦りを感じつつも、探偵たるもの、常にアタマはクールでいなければならない。

国道210号を大道で右折し、そのまま西に。まさかケンジたちは高速に乗るのでは…。
やばい、オレ金持っていたか…。よし、なんとか大丈夫。

大分自動車道を走る事約20分。ケンジたちの車は別府PAへ寄道をしている。
そういえば確か報告書で、ケンジは別府PAでトイレをしないと一日が始まらないと書いてあったな。

そしてケンジがトイレから出て、タバコを一服して油断している瞬間を狙って、盗聴器をしこむ。
気がつかれないよう緊張する一瞬だが、よし成功だ。

再び高速に乗り走る事約30分、ケンジたちは玖珠ICで下りる。
会話を交わしているようだが、くそう、盗聴器の調子が悪くよく聞こえない。

「玖珠町に一体ナニがあるんだ」
エロリスト”ケンジ”としては、似つかわしくないのどかな町ではないか…。

玖珠ICを下りてさらに国道210号を日田方面に向かい、北山田駅附近を左折し玖珠川の方へ走る事約15分。

たどり着いた処は「三日月の滝温泉」。



ここに一体何があるんだ………。

第2話に続く。