僕たちの失敗

まんねん

2010年04月12日 20:26

先週の出張先である、熊本市の沿道には、もうツツジが咲いていた。

ツツジを見ると、どうしてもあの頃の記憶を思い出す。







そう、あれはもう30年近く前のこと。

あの頃、僕たちは近所の友達と幼稚園まで歩いて登下園していた。

春うららかな幼稚園の帰り道、道ばたには同じようにツツジが咲き誇っていた。

僕たちは、そのツツジを摘み取り、甘い蜜をチューチュー吸って喜んでいた。

「うーん、甘い~」


今となれば、たわいのない事だが、幼心に何か特別な優越感があったのだろう。


そして、ある日の帰り道、僕たちは散歩中の大きな犬と遭遇したんだ。

まだミニミニサイズの僕たちは、その大きさにちょっとビビッた。

でも飼い主がしっかり紐で繋いでいるから、襲ってきたりしない、大丈夫さ。

だけどやっぱり怖いから、道端にみんな寄って、通り過ぎるのを大人しく待つ。

ドキドキ、ドキドキ、心臓の鼓動がだいぶ高まってるようだ。


突然、大きな犬とその飼い主は、僕たちの目の前で立ち止まった。

なっ、ナニが起きるんだ。

すると、大きな犬はくるりと振り返り、よっと片足を上げて、

さっき僕たちが密を吸ったツツジに向かって、おしっこをし始めた


それも、かなり長い時間、ジャージャーと勢いよく発射していた。


そして、大きな犬とその飼い主は、僕たちの前を何事もないように通り過ぎていく。

その光景を目の当たりにして、僕たちはしばらく呆然としていた…。


ツ、ツツジに犬のおしっこが………



そうか…、僕たちはアンモニアが添加された、ツツジの密を味わっていたんだね。

それから、僕たちがツツジの密を吸うのを止めたのは言うまでもない。